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若いご夫婦が両親・友達から中古住宅を買うより新築マンションの方が良いと云われていたが、歴史を積み重ねてきた民家に愛着を持ち、探し続けてようやく見つけたのが「木津川の町家」でした。
当然、皆んなに購入すると報告した時は、夫婦以外全て反対意見であったが、決意は変わらず購入され、我々の事務所にご相談に来られました。旧街道沿いに建ち木造2階建の外観は存在感はありましたが、艶のある黒く塗装された外壁は剥げ落ち、艶があることによってこの家本来の良さをかき消していたので塗装を全て削ぎ落し、艶消しの黒に塗装し直し、正面の瓦の葺替え、1階部分に防犯を兼ねた木製面格子で佇まいを整えた。
内部は必要以上の部屋数があり施工面積が広く予算配分を考え、主に1階の玄関・リビング・ダイニング・キッチン・テラス・トイレ・パウダールーム・浴室部分を全面改装して、他の部屋（1階和室及び2階）は、仕上の模様替のみにしました。 平面プランは和室6帖をテラスに変更することで、座敷とリビング・ダイニングと庭の関係性を高め、軒のあるオープンスペースの広縁を創出して「市中山居」の生活を愉しめるようにしました。
現在の庭は未完成ですが、時間をかけて庭いじりをして四季折々の草花で満たし季節感を感じられるのも格別な歓びでしょう。設備面は水まわりは新しくし、特にキッチンは夫人のご希望によりステンレス製としています。
デザインは、既設の欄間・建具を再利用したレトロ＆モダンをコンセプトにしました。完成してご両親・お友達の評価も大変良く、ご夫婦も旅館に宿泊しているようだとご満足頂いています。 平井憲一
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