「五條の家」は、この「古民家再生ネットワーク」のＨＰを見ての依頼でした。
門を潜ると正面に「母屋」、右側に１７年前に建てられた本格的なお茶室があるお屋敷の、母屋の応接室と暗くて寒々しいダイニング・キッチンを、既設建物の良さを生かして
明るくオープンスタイルのキッチンと、ゆったり寛げるリビングを「和」と「洋」のテイストを生かして、既設１３坪のLDKを「熟年を楽しむため」の上質な空間にリフォーム
した事例。　現況内部は、新建材で覆われ天井も低く圧迫感のある部屋でしたが、現場調査の結果、小屋裏の木組みが美しいことが分かり天井を撤去することにしました。解体
後に間仕切り部分上部とキッチン上部の梁がシロアリの被害にあっていたため新たに梁を入れ替えています。その他の現れた古梁は煤で黒くなっている部分と生地のままの部分
があり、定番の黒光りの梁のイメージでまとめ上げるのは簡単ですが、あえて渋い茶褐色にし、白の漆喰では無く少し赤みの入った珪藻土にして、やわらかで上品なイメージで
まとめています。 設備はオール電化にして床暖房を設置、外部木製建具はペアガラス入り、内部建具デザインもあえて変え視覚的な繋がりの変化を求め、上質でモダンな家具とコーディネートしています。　 平井憲一
■「第25回住まいのリフォームコンクール」の住宅金融支援機構理事長賞を受賞。